支援は利用者さんのため、ひいては世の中のためにするものだ!
この記事の内容をざっくりと
- 半沢直樹の名言!『仕事は客のためにするものだ!』
- 人は気が付かない内に、自分や会社のために仕事をしてしまう!
- なぜ仕事は顧客のためにするものなのか?
- 福祉・医療における内向きな仕事について
- まとめ:支援は利用者さんのためにするものだ!
半沢直樹の珠玉の名言
筆者は『半沢直樹』が大好きであり、ドラマシリーズのブルーレイはもちろんのこと、書籍である『バブル入行組シリーズ』も全てを揃えています!基本です!
半沢直樹が自身の立場を省みず、あくまで正しい仕事をすることによって卑怯で卑屈な人間達を打ち負かしていく!非常に痛快です!!
さて、この半沢直樹ですが、書籍は全4作あります。
当記事では3作目にあたる『ロスジェネの逆襲』における半沢の"珠玉の言葉"を取り上げ、これについて色々論じていきたいと思います。
仕事は客のためにするものだ!
『ロスジェネの逆襲』のとある場面で、
部下の森山が半沢直樹の持つ『信念』について尋ねるシーンがあり、
それに対する半沢の答えが以下の通りとなります。
「簡単なことさ。正しいことを正しいといえること。世の中の常識と組織の常識を一致させること。ただ、それだけのことだ。ひたむきで誠実に働いた者がきちんと評価される。そんな当たり前のことさえ、いまの組織はできていない。だからダメなんだ」
「原因はなんだとお考えですか」 森山はさらにきいた。
「自分のために仕事をしているからだ」
半沢の答えは明確だった。
「仕事は客のためにするもんだ。ひいては世の中のためにする。その大原則を忘れたとき、人は自分のためだけに仕事をするようになる。自分のためにした仕事は内向きで、卑屈で、身勝手な都合で醜く歪んでいく。そういう連中が増えれば、当然組織も腐っていく。組織が腐れば、世の中も腐る。わかるか?」
真顔でうなずいた森山の肩を、半沢は微かに笑ってぽんとひとつ叩いた。
(引用:ロスジェネの逆襲)
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半沢はこのような信念があるからこそ、自らの立場を省みず、例え会社に左遷・出向を引き合いに脅されようと、顧客のため世の中のために仕事をするという正義を貫いてきたのでしょう。
そして、
『仕事は客のためにするもんだ。ひいては世の中のためにする。その大原則を忘れたとき、人は自分のためだけに仕事をするようになる』
筆者がこの言葉を目にした時は正直、あまりに図星すぎてバツが悪くなりました・・・
これは筆者がまだ精神保健福祉士ではなく営業として働いていた時のことでしたが、
まさに自分のために、自分の承認欲求を満たすため"だけ"に仕事をしており、顧客のことなんて微塵も考えていないことに、この言葉を見て気が付いたことを今でも鮮明に覚えています。
本当に半沢直樹の言う通りで、当時は仕事の大前提を忘れ、内向きで卑屈な仕事をしていました。
加えて、
よく「会社のために」「組織のために」という言葉を口にしていたように思います。
これは上司・会社に認められるためのパフォーマンスに過ぎず、そこまで組織にことを考えて仕事をしてはいませんでした・・・
今思えば必要のないことばかりに時間を費やし、
仕事は客のため、世の中のために行うものであるという本質を外れた仕事ばかりしていたように思います・・・
そして、皆様の中にも、気がついていないだけで、いつの間にかこのように顧客のためではなく自分のための内向きな仕事をしている方がいるのではないでしょうか?
筆者が見るに、優しくて誠実な人の多い福祉業界にも少なからず内向きな仕事をする方が存在します。
特に医療サイドの支援者に多くいるような気が致します。
『仕事は客のためにするもんだ。ひいては世の中のためにする。』
これが本質です。
では、
そもそもの話、
なぜ仕事は、顧客のため、世の中のためにするものなのでしょうか?
その理由を事項よりご紹介していきます。
仕事はなぜ顧客のため・世の中のためにするものなのか?
その理由は、仕事の成り立ちにあります。
どういうことかと言うと、
仕事とはそもそも顧客のためになるからこそ、世の中のためになるからこそ仕事として成り立っています。
つまり、ニーズがあるからこそ利益が生まれ、仕事となっているのです。
そして、顧客のためにならない仕事にニーズがあるはずもなく、そのような仕事は淘汰されてしまいます。
このようなことから、仕事とは顧客のためにするものであって当然なのです。
しかし、これに納得した上でも、
「仕事は組織(会社)のためにやるものだ!」
と断固として譲らない人がいます。
「自分の組織を勝たせてこそ仕事だ」
と、そう考えている方も多くいらっしゃいます。
悪い考え方ではありませんし、組織のために働くことは当然だと思われる方も多いかと考えます。
そして、仕事が顧客のニーズの上に成り立ち、その上に組織が存在していることを考えると『組織のため=顧客のため』と言えなくもありませんが、
あくまでも目線は顧客に向けるべきで、その前提がなければ組織のために行った仕事はその意味をなさないと言えます。
言い換えますと、
組織のために働くことは悪いことではないが顧客目線であることが不可欠で、それがなければそもそも組織のためにもなりません。
組織のためを思うあまり、組織優先で顧客目線を忘れてしまっては元も子もないということです!
これがどういうことかについて、
福祉・医療の例を用いて説明をします。
福祉・医療における内向きな仕事
精神科の病院を例に挙げて説明していきます。
精神科において、
空床数が増えてくると入院へのハードルが下がる、つまり簡単に入院をさせることが多々あります。
仮に統合失調症のAさんが調子を崩したとして、同じような状態であっても、
- 空床が少なければ経過観察
- 空床が多ければ即入院
このような場面をこれまで多く目にしてきました。
確かに、Aさんは不調のため通常よりも手厚い治療が必要となります。
結果的に入院になったとしても、「Aさんのために適切な支援をした」
と言えなくはないでしょう。
しかしながら病床数により支援内容が異なるこの仕事は、組織に目線が向いた内向きな仕事であり、到底頂けません。
「組織の利益のために致し方ない!」
こう言われる方がたくさんいます、
しかしそれは違います!
そもそも空床の多い少いを入院を決める要素としているから空床の多い少ないのバラツキが生まれるのです!
患者さん目線で、患者さんのために常に一貫性のある判断・支援をしていれば、それ程大きな空床数のバラツキが生じることはないと考えられませんか?
組織のために仕事をして「これは利用者さんのためだ」と合理化するのではなく、
「利用者さんのために仕事を行うことが組織のためになる」という認識をしないと組織は長続きしないでしょう。
現に病院都合で入院させられた利用者さんは不信感を抱き転院されることが珍しくありません。そしてこれが続けば、言うまでもなく患者数は減少していきます。
このように、「組織のために」と顧客目線を忘れて行動した結果、
当然の如く顧客のためにならず、単なるその場しのぎの実績稼ぎにしかならないお粗末な仕事となり、結果的に組織のためにもなっていません。
そしてこれ以上にひどいのが、広い視点で本件を捉えると、
必要時に手前の勝手な都合で入院加療が適切に行われない可能性のある医療機関は、
世の中のためにもならないこととなります。
「組織のために!」と浅はかな行動をした結果、
顧客のためにもならない、世の中にも貢献出来ない、
こんな組織は近い将来間違いなく淘汰されてしまいますよね・・・
これを踏まえてもう一度お尋ねしたい!
仕事とは、組織のために行うものなのでしょうか?
否!仕事とは顧客のためにするものです!
そしてその上に組織が成り立つのです!!
あくまでも顧客のために仕事をすることが組織のためになるということです!
これが本当の意味での組織のための仕事です。
お分かり頂けましたでしょうか?
【まとめ】仕事は客のためにするものだ!
仕事は顧客のニーズの上に成り立つものであり、顧客のためにすることこそが仕事の本質です。
そして、組織のために仕事を行うのではなく、
顧客のために行う仕事こそが組織のためになるということを認識しなければなりません。
人間はともすれば組織の都合や目先の評価に惑わされ、自分のための"内向き"な仕事をしてしまいがちです。かくいう筆者もそうです。
しかしながらそこをぐっと堪えて、
顧客目線で、顧客のための、そして世の中のための仕事をすることこそが本当の成功に繋がることを忘れずに・・・
そしてそれを実践していくことが重要なのです!
そして、我々が行う支援という仕事においてですが・・・
性質上華があまりなく日々地道な仕事の連続です。
そして正解がないくせに間違いはあるというひねくれ者です。
時に取り返しのつかない失敗が起こりうる繊細な仕事でもあります。
筆者も日々間違いの連続で、その都度思い悩み出口を模索する毎日です!
しかしながら、
少なくとも福祉の仕事は、正しい道を歩むことが出来ます!
嘘をつく必要がなく、強い気持ちを持てば純粋に利用者さんのための正しい仕事が出来ます!
ただ、この強い気持ちを持ち続けることが中々に大変なのですが・・・
いきなりですがこの記事を読んで下さった皆様!
ともにイバラの道を進んでいきましょう!!
『支援は利用者さんのため、ひいては世の中のためにするもんだ!』
これを実践していきたいと思います!
すぐに結果・成果が出なくとも、
中々日の目を浴びなくとも、
理不尽にさらされても、
日々こつこつと正しいことをしていきましょう!!
きっと後々『100倍返し』となって良いことが返ってきます笑
これが福祉の倍返しだ!
おあとがよろしいようで。