精神保健福祉士に向いていない人なんていない!職場ごとの適性をご紹介!
この記事の内容をざっくりと
- 「精神保健福祉士に自分は向いていないかもしれない」とお悩みの方へ!
- 精神保健福祉士(PSW)の職場別に見た『特徴』と『向き・不向き』
- 医療機関(ケースワーカー・デイケア)
- 就労支援施設(作業所・就労移行支援など)
- 地域活動支援センター (サロン・計画相談)
- 入所施設(生活訓練・グループホーム)
- 行政(市役所・保健所・精神保健福祉センターなど)
- その他番外編(司法・企業・教育)
- 【まとめ】精神保健福祉士に向いていない人なんていない!
「精神保健福祉士に自分は向いていないかもしれない」とお悩みの方へ!
このような方で、「この仕事は自分に向いているのだろうか?向いていないかもしれない・・・」といった悩みを持たれている方がたくさんいらっしゃいます。
この証拠の1つとして、例えば、精神保健福祉士を目指して筆者の施設に実習に来る学生さんはほぼ100%この質問をされます。
ネタばらしをすると、筆者はこの問いに対して「向いていない人なんていない」と即答します!
この根拠は何か?
それは、精神保健福祉士が勤務する職場は非常に幅広く、一概に『精神保健福祉士』という資格だけで向き不向きを判断することは不可能だからです!
加えて、職場ごとに必要とされる能力が異なることも理由であり、極端な例を除けば、全てに適性が当てはまらない方なんていません。
現場は様々な個性を必要としているのです!
しかし、『精神保健福祉士 向いている 向いていない』
このようにGoogleで検索をして上位に出てくる記事を読むと、その多くは職場の特色を度外視し、『精神保健福祉士』という資格を一括りにして向いているかどうかを論じています。
先述の通り職場によって適性が異なりますので、これでは不十分であると断言します。
そして、このような情報で精神保健福祉士になることや、仕事を続けることを断念してしまう方がいることを筆者は残念に感じております。
このようなことを踏まえ当記事では、精神保健福祉士の職場別に見た『適正』『向き・不向き』をご紹介していきます!
あなたに向いている職場がきっと見つります!是非ご覧下さい!
精神保健福祉士(PSW)の職場別に見た『特徴』と『向き・不向き』
まず、精神保健福祉士(PSW)が働く職場についてどのようなものがあるのかをご紹介させて頂きますと、
- 病院(ケースワーカー・デイケア支援員)
- 就労支援施設(作業所や就労移行など)
- 地域活動支援センター(サロン・計画相談)
- 入所施設(生活訓練やグループホームなど)
- 行政(市役所・保健所・精神保健福祉センターなど)
- その他(司法・企業・教育など)
以上、他にもありますが、資格を取得し、概ねこのような機関に就職することとなります。
これらの職場について、それぞれに求められる『適性』『向き・不向き』を次項よりご紹介して参ります。
医療機関(ケースワーカー・デイケア)
病院・クリニックのケースワーカー
特徴
精神保健福祉士の職場の中で最も慌ただしいと言っても過言ではないでしょう。
受診・転院・入院・退院を他機関や御家族と調整しながら進めたり、もちろん医師とも密にコミュニケーションを取らなければなりません。利用者さんの書類作成の補助も業務の1つです。
そしてこれらをスピーディーにこなすことも重要となります。
向き・不向き
高いコミュニケーション能力、自分で考えて行動し、現状を打破する自発的で能動的な方、そしてタイムマネジメントに長けた方に向いているでしょう。
逆に、人とコミュニケーションを取るのが苦手な方や、物事に受け身の姿勢である方はしんどい思いをするのではないかと考えます。
また、刺激的な環境なので、仕事にそれを求めない方には"too much"に感じられるかもしれません。
精神科デイケアの支援員
特徴
ケースワーカーと比較するとそれ程慌ただしくはなく、規模にもよりますが担当する利用者さん一人一人とじっくり向き合うことが重要となります。
医療であるため日々の体調確認は必須。
そして、利用者さんと目標・計画を定め訓練していくことになりますが、この過程において色々なことがあります。
それでもぶれずに利用者さんと向き合っていく根気が大切だと考えます。
向き・不向き
ケースワーカーほど話し上手でなくとも、利用者さんと面談したり、プログラムやレクリエーションを取り仕切ったりとある程度のコミュニケーション能力があれば大丈夫ですし、やってる内にこれは向上します。
そして何より大切なのは、利用者さんとじっくりと向き合うための根気や、利用者さんの支援についてとことん掘り下げていく探究心であり、こういった点に長けている方が向いているでしょう。
職人気質の方がいいと思います。
逆に、移り気な方や刺激を求めるような方には少し退屈な職場かもしれません。
就労支援施設(作業所・就労移行支援など)
特徴
雰囲気的には精神科デイケアに類似していると思いますが、就労に関するトレーニングが主な目的になっているという点で異なります。
あくまで『仕事をするための訓練』として、利用者さんと先の目標を定め、それに沿って立てた計画に基づき支援に取り組んでいくこととなります。
加えて、作業所で利用者さんが行う仕事の多くは企業より請け負っているため、しっかりと納期の管理をしながらやりつつ、同時に利用者さんへの配慮もしていくことが重要です。
向き・不向き
デイケアと同じく、寡黙であってもある程度コミュニケーションが出来れば大丈夫で、利用者さんとじっくりと向き合う根気も必要です。
加えて、日々の就労のアセスメントのために多くの利用者さんの作業内容を同時に観察し把握する集中力・注意力や、作業の納期の管理や業者とのやり取りに必要な管理能力・マメさがある人に向いているでしょう。
ある種繊細な仕事です。
逆に、アバウトな人や、集中力のない方には合わないかもしれません(筆者がこうでした笑)
そして、ややもするとルーティーンワークの繰り返しなので、刺激を求める方は物足りなさを感じるかもしれません。
地域活動支援センター (サロン・計画相談)
色々な業務がありますが、
- サロン業務
- 計画相談(相談支援専門員)
これら2点の業務について述べていきます。
サロン
特徴
利用者さんの好きな時に来て頂き、好きに余暇を過ごして頂くような施設になります。
これに加えて創作や料理やスポーツプログラムがあり、希望者を募り楽しんで頂くような催しもあります。
もちろん、利用者さんの困り事の相談を受けることも業務の一環です。
デイケアと似ていると思う方もいらっしゃいますが、あくまでサロンは余暇である点で大きく異なります。
向き・不向き
ここに関しては、根本的に"困っている人を助けたい"という軸があり、かつ利用者さんと一緒に喜んだり悲しんだり出来れば特に向き・不向きはないものと考えます。
ただ、役割が良くも悪くも曖昧であるため、仕事に明確な目的を求める方には「自分は何をしているんだろう?」と葛藤を抱えることこととなるかもしれません。
こういう意味では、『道草を楽しめる』人に向いていると言えるでしょう。
計画相談(相談支援専門員)
特徴
計画相談を実施する相談支援専門員は障害分野のケアマネのことです。
利用者さんの現在の状況をアセスメントし、利用者さんの抱える課題の解決や適切な福祉サービスの利用に向けて、意向をお聞きした上でプランを立て支援を行うといった役割を担います
分かりやすく申し上げますと、利用者さんが作業所に通うために、行政にその支援の意義を認められ、「訓練等給付を出しますよ」という許可を得なければならず、そのための調整をするのが支援センターで働く障害のケアマネ、いわゆる『相談支援専門員』の役割です。
この相談支援専門員はプランを立てて行政に必要性をご理解頂くのはもちろんのこと、通う作業所と受け入れの調整を行う等、いわゆる『調整役』でもあります。
必要に応じてサービス調整会議を主催し、関係者に支援の重要性をプレゼンテーションすることもあります。
下手をすると病院のケースワーカーよりも慌ただしい職場と言えるでしょう。
向き・不向き
筆者は病院のケースワーカーと相談支援専門員の両方を経験していますが、はっきり申し上げて相談支援専門員の方が忙しいと思います。
色々な職種の方と各種の調整を行うための高いコミュニケーション能力と、行政に支援の必要性を説くためのプレゼンテーション能力。
加えて、たくさんの利用者さんを担当することとなりますので、スケジューリングの能力と、1つのことを追求するというよりは、複数のことを同時にこなすマルチタスクが求められます。
ですので、コミュニケーションに自信の無い方や、自発的に動けない方、マルチタスクが苦手な方には少ししんどい職場かもしれません。
入所施設(生活訓練・グループホーム)
生活訓練
※通所や訪問のよる訓練の提供もありますが、この項では入所についてご紹介させて頂きます。
特徴
2年間の有期限(延長1年まで)の訓練施設で、施設や病院に長期入所・入院していた方等を対象に、地域生活を送る上でまず身につけなくてはならない基本的なことを中心に訓練を行い、障害のある方の地域生活への移行を支援する施設です。
- 入浴、排せつ、食事等に関する自立した生活を営むための訓練
- 生活等に関する相談、助言
等の支援を行い、訓練を終えた後の退所先の調整も仕事となります。
入所者は10~20名程で、日々同じ利用者さんと顔を合わせ支援をする中で、体調や行動の"微細"な変化を捉えて適切に支援をしていく必要があります。
また、利用者さんの訓練が終わっていようかなかろうが期限が来れば退所となるので、そこは腕の見せ所です。
ただの仮住まいではなく、後の地域生活に向けた適切な訓練の提供が重要となります。
向き・不向き
- 有期限である点、
- 生活の基本的な能力の訓練を行う点
これらが特徴であり、しっかりと利用者さんと目標を共有してスケジューリングをし、進捗を確認しながら訓練をしていく必要がありますので、計画性やマメさが求められます。
また、暮らしの場であるため毎日利用者さんと顔を合わせるので、いい時も悪い時も常に一緒です。
こういった観点から、一喜一憂せずにぶれない冷静さも重要であると言えるでしょう。
これに対して、生活訓練は悪く言うと究極のルーティーンワークになりがちであるため、それ程変化のない日常に"面白さ"を見い出し、探究していくことが出来ない方には苦痛になるものと推察されます。
個人的に感情豊かで活発な人よりも、落ち着いた職人気質の人の方が向いているように思います。
グループホーム
特徴
障害を持つ方が世話人の支援を受けながら、アパート、マンション、戸建て等で生活する居住の場です。
Googleなんかで調べると、主に夜間の食事、入浴、排泄、その他必要な介護の提供と記載がありますが、居住者の高齢化に伴い、昼夜問わずに何かがあれば支援員が駆けつけて対応しているのが実情で、中々体力のいる仕事です。
また、グループホームを一軒だけ経営している法人というのは稀で、病院や作業所を運営する法人がグループホームも所有しているといったことが多く、兼務という形で支援にあたることが多いです。
加えて、グループホームを複数経営している法人も多く、何軒かのグループホームを担当しているという支援者の方も多くいらっしゃいます。
向き・不向き
居住者の困りごとの解決や支援が仕事の大半を占めますので、淡々とそれをこなせる実直さが大切です。
そして、このような仕事は日の目を浴びることはなく非常に地味ですので、それでも利用者さんのことを思い真摯にひたむきに物事に取り組める方が向いていると思います。
褒められたい、人に認められてなんぼといった承認欲求が高めの方には物足りないものと考えますので、あまりおすすめ出来ません。
ちなみに筆者は承認欲求高めなので向いていないと思います(笑)
行政(市役所・保健所・精神保健福祉センターなど)
特徴
地域の方の相談の入口であるとともに、利用者さんの支援に必要な支給の決定をする強い権限を持ちます。
また、障害への偏見をなくすための啓発活動やボランティア活動、障害のある方やその家族のための患者会や家族会の設立をサポートする役割も担います。
向き・不向き
民間にない権限を持っており、行政でしか出来ない仕事が多くあります。
また、規模の大きい啓発イベントの実施を通してソーシャルアクションを行うことが出来る等、"ならでは"の魅力がありますので、行政機関にしか出来ないことをしたいという方には打って付けでしょう。
また、よく言われることですが倒産がなく良くも悪くも安定していますので、ここを求める方には最高の職場でしょう。
その反面、『行政』であるために出来ることと出来ないこと、つまり白黒がはっきりしていますのでグレーゾーンがありません。
そして、当然の事ながら黒の仕事をして結果を出したとしても評価されません。
行政機関は、ある意味結果よりも過程の方が重視されますので、あまり物事をとやかく考えない真面目な方に向いているでしょう。
私見ですが、自分で考えてグレーゾーンや場合によっては黒に近いゾーン(※)に触れながら物事を成功させるというのが仕事の醍醐味であると考えます。
(※悪いことをするということではなく、常識にとらわれず工夫するという意味合い)
筆者のように、「仕事は結果を出してなんぼ」と考える意欲に満ちあふれた方や、どちらかと言うとやんちゃなタイプの方には間違いなく向かないでしょう。
加えて、唯一無二の権限を持っているがために、窓口で地域の方から、また他機関の支援者からも文句を言われることが多々ありますので、気が短い方には耐えられないでしょう。
その他番外編(司法・企業・教育)
※志がなければ就ける職ではないため、向き・不向きは論じず特徴のみのご紹介とします。
企業・教育機関
いずれも新卒での採用はあまりなく、一通り精神保健福祉士としてキャリアを積んでからの挑戦になるものと思います。
企業で活躍する精神保健福祉士はソーシャルワーカーとして、社内のストレス・うつ病対策や、メンタルヘルスへ社員のの理解を深める活動をします。
しかしながら、実際は企業に精神保健福祉士が常駐しているというケースはまだ稀であり、狭き門です。
教育分野に関してはスクールソーシャルワーカーとして、いじめや不登校、その他諸々の校内の問題に対して子供のケアや教員に助言をする役割を担います。
未だ多くは非常勤ではありますが、学校という閉鎖的なコミュニティに俯瞰的で、かつ専門的な視点で介入をする重要な役割であり、今後更に需要が増してくるものと考えます。
司法
代表的なものは社会復帰調整官です。
8年の精神保健福祉に関する実務経験を積んだ上で採用試験をパスしてようやく就くことの出来る国家公務員です。
医療観察法に基づき、精神障がいが原因で善悪の判断がつけられず重大な罪を犯してしまった人を対象とし、社会復帰に向けた色々な調整を担います。
以前現職の方に話を聞いたのですが、危険を伴い、拘束時間も長く、しかも全国転勤があるためかなり大変な仕事のようです。
精神障害者の円滑な社会復帰に関心と熱意がある人には非常にやりがいのある仕事でしょうが、逆にそこがなく「何となくやりたい」ぐらいの方は辞めておいた方がいいでしょう。
厳しい仕事です。
【まとめ】精神保健福祉士に向いていない人なんていない!
当記事では、
こういった観点から、
- 病院(ケースワーカー・デイケア支援員)
- 就労支援施設(作業所や就労移行など)
- 地域活動支援センター(サロン・相談業務)
- 入所施設(生活訓練やグループホームなど)
- 行政(市役所・保健所・精神保健福祉センターなど)
- その他(司法・企業・教育など)
これらの職場の特徴と、向き・不向きについてご紹介をさせて頂きました!
職場ごとに求められる応力は異なり、話し上手が求められる職場もあれば、寡黙な職人気質が求められる職場もあり、その間ぐらいがいい職場もあり・・・
とにかく色々な個性を現場は必要としていますので、精神保健福祉士に向いていない人なんて絶対にいません!!
これから精神保健福祉士を目指される方!
誰かに「君は向いていない」と言われても気にしなくて大丈夫です!ネットの情報にも踊らされる必要はありません!
是非精神保健福祉士となって共に頑張りましょう!
※参考までに筆者の専門学校体験談です↓↓↓
※国家試験の勉強法です!かなり読まれてます↓↓↓
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是非精神保健福祉士として一緒に頑張りましょう!
では!!