大企業を辞めて精神保健福祉士になりました。

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社長表彰までされた大きな会社を10年の節目で辞めて精神保健福祉士になりました。『細く長く働く』がモットーです。

私が臨床心理士ではなく精神保健福祉士を選んだ『4つの理由』【徹底比較】

 この記事の内容をざっくりと

 

 

 

臨床心理士精神保健福祉士で迷っているあなたに!

 

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私はまだまだ当時珍しかった心理学科を10年以上前に卒業しております。

 

 たまに当時の学科の友人と会うことがあると、

「何で精神保健福祉士(PSW)になったの?」や、

酷いものだと「精神保健福祉士(PSW)ってなに?」と質問されます。

 

今では当たり前となり、多くの心理学部や社会福祉学部で資格取得に向けたカリキュラムかが組まれている精神保健福祉士ですが、

私が学業に励んでいた当時はカリキュラムがないのはもちろんのこと、心理学科は大学院に進み臨床心理士になるか、普通に就職するかの2択しかないような、そんな風潮でした。

 なので、精神保健福祉士の存在を知らない人の方が多かったのだろうと思います。

かくいう私もそうでした。

 

そして、一般企業の営業職を辞めて専門職に転職しようと考えた時も、自然と最初に脳裏に浮かんだのは臨床心理士でした。

 

しかしながら私は精神保健福祉士になりました。

それはなぜか? 

 

当記事では、

「私が臨床心理士ではなく精神保健福祉士を選んだ4つの理由」についてご紹介していきたいと思います。

 

私が臨床心理士ではなく精神保健福祉士を選んだ『4つの理由』

 

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 前提として、それぞれの特徴を簡単にご紹介します。

 

臨床心理士

 

一言で言うといわゆるカウンセラーです。ただ、カウンセリングだけでなく患者さんに対する治療・支援方針の根拠ともなる心理検査の実施や、研究を行うことも業務のひとつとされています。

大学院を終了し、試験をパスしなければ取得できません。

また、定期的な更新が義務付けられている点も特徴です。

(※現在、公認心理師という条件付で大学院を経なくても取得でき、原則的に更新の必要がない心理系の国家資格が設立されていますが、臨床心理士資格を所有、もしくは取得用件を満たしている方でなければ医療機関福祉施設で心理職として採用されていないのが現状です)

 

精神保健福祉士

 

精神障害者の人に対する支援をする職種です。臨床心理士と異なる点は健常者はあまり対象とならず、精神障害者の方を主な対象とすること。また、相談のみでなく援助を行い、加えて社会復帰等への調整業務も担うことも役割であると個人的に捕らえております。

また、精神保健福祉士は国家資格であり更新の必要がないこと。さらに大卒者であるなら1年間の養成校への通学で国家試験が受験できることが特徴として挙げられます。

 

では、

これらを踏まえ、「私が臨床心理士ではなく精神保健福祉士を選んだ4つの理由」について、

  1. 求人数が多い
  2. 資格取得に要する「学費と時間」
  3. 自身の経験・強みをより活かせるから
  4. その後のキャリアがより開かれているから

 これらを順にご紹介していきます。

 

①求人数が多い

 

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 読んで字の如くですが、

当時私が住んでいた都道府県や近隣の都道府県で調査をすると、

精神保健福祉士の求人のほうが、臨床心理士の求人より約3倍ぐらい多かったのです!

 

いくら資格を取得してもそれを活かす先がなければ宝の持ち腐れ。

これは精神保健福祉士を選ぶ上でかなり大きな理由となりました。

 

②資格取得に要する「学費と時間」 

 

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学費

精神保健福祉士:約30万円(通常は約100万円)

臨床心理士:約140万~約200万円

 

精神保健福祉士のこの40万という学費は、4年制大学を経て夜間1年コースの専門学校に入り、かつ、『専門実践教育訓練給付金』の補助を受けた場合の金額です。

受けなければ約100万程の学費となります。

 

さて、この『専門実践教育訓練給付金』をざっくりと説明すると、

4年制大学を卒業し社会人として何年か働き、そこから精神保健福祉士の資格を取る方には学費の最大70パーセントが返ってくるという制度です。

 

私は学費が約100万円で、当時は学費の最大6割の支給であったため60万円も返ってきました!

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000077164.html

詳しくはこの厚労省のサイトを参照するか、入学を考えている専門学校に聞いてみると説明を受けることが出来ます。

 

臨床心理士の学費については、平均は200万ぐらいだと認識して頂いて結構かと思います。

あくまで私の調べた範囲ですが、1番安いところで140万ぐらい(極めて少数)、高いところで220万ぐらいという印象です。

 

時間

精神保健福祉士:1年(夜間コース) 

臨床心理士:2年(資格試験までは2年半)

 

臨床心理士は大学院修了が条件であり、さらに資格試験受験までさらに約半年あります。

また、授業のコマ数もみっちり詰まっており、研究・論文の作成にも時間を取られるため学校によっては「アルバイトは出来ない」と言いきるところもあるぐらいです。

一方精神保健福祉士では、大卒であると1年間専門学校に通い、試験にパスするだけで資格が取得出来ます。

また、私が通っていた学校では1日の授業コマ数が平日は18時から2コマ、土曜日はお昼から4コマとなっており、学校も福祉施設でのアルバイトを推奨していました。

私は平日学校で紹介を受けた施設でアルバイトをしながら通学していましたので、実践・座学ともに学べおまけに稼げるという充実した日々を過ごせていました。

参考までに高卒でも4年制大学でカリキュラムを終了し、試験をパス出来れば在学中に精神保健福祉士を取得することが出来ます。

 

以上、

学費と時間を比較しご紹介させて頂きましたが、

当時の私には、どちらかというと時間の差が精神保健福祉士を選ぶとても大きな理由となりました。

 

早く資格を取得して働きたいという気持ちが強かったですし、在学しながら現場に出て勉強をし、ついでに向き不向きの判断もしたいと考えていたため、

「夜間1年」という時間設定ががっちりとハマったからです。

 

③自身の経験・強みをより活かせるから

 

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転職をする上で、「やりたいこと・なりたい職業に求められる資質と自分の経験・強みが合致しているのか?」を考慮することが非常に重要であると考えます。

なぜなら、基本的に中途採用は「即戦力」が求められるため、ただ「なりたい!」という気概だけでは評価されないからです。

以下、私がどのように考え精神保健福祉士を選んだかについて説明していきます。

 
臨床心理士に求められる資質

あくまで私の私見ですが、最も大きいのは「感情の揺れをしっかり抑えて、何事にも冷静に対応する能力」なのではないかなと考えています。

加えてたくさんのことにどんどん取り組んでいくというよりも、どちらかというと「黙々と1つのことに取り組める能力」も重要であり、精神療法を行う上での1つの「ユニット」としてその役割に徹することが求められます。

 

精神保健福祉士に求められる資質

これも私見ですが、相談業務で求められる専門性もさることながら、退院支援から社会復帰にかけた調整業務で「様々な職種の方と円滑に連携をするコミュニケーション能力やバランス感覚」が非常に重要であると考えます。また、利用者さんの生活面の支援においては、ある意味1つの「ユニット」を超えるような積極性・行動力も時には必要となります。

 

私の経験・強み

 

経験

私は約10年間、営業マンとして様々な得意先に対して自社の無形商材の利点を提案し、 販売してきました。また独力のみではなく、様々な職種の方とコミュニケーションを取り、協力し合いながら難しい課題をクリアしてきました。

 

強み

 とにかくコミュニケーション能力が鍛えられ、元々照れ屋でしたが、今は全くそんなことはありません。また、提案力・プレゼンテーション能力には自身があり、行動力、尻込みしない積極性にも自信があります。

 

以上

を踏まえ、「やりたいこと・なりたい職業に求められる資質と自分の経験・強みが合致しているのか?」を考えますと、私には明らかに精神保健福祉士の方があっていることに気がつき、その選択をしました!

 

なお、「自身の専門性を発揮し、精神障害で困っている方の役に立ちたい」 ということが私のやりたいことでしたので、どちらになってもその思いは果たされます。

はっきりと選択が出来たのはこれも要因にあるのかもしれません。

 

④その後のキャリアがより開かれているから

 

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これは一般企業から転職した私ならではの視点ではないかと考えます。

 

仮に、「自分にはこの仕事は合っていない」と思った際に、また一般企業に戻れるかどうかや、異なる専門職に転職出来るかどうかという要素が私にとっては非常に重要でした。

この観点から考えますと、

 

臨床心理士

専門職の中でも専門性がかなり高く、例えば一般企業に転職しようと面接に行ったとして、先方が求めるマルチな能力や、自社に当てはめてこの人はどの程度の活躍が出来るかという能力が計りにくいものと考えます。よっぽどでなければ不採用となるでしょう。

 

精神保健福祉士

なんだそれ?どんな仕事?という最大の関門さえ突破しさえすれば、仕事内容、主に調整業務は一般企業にも当てはめやすいもので、先方がこの人はどのぐらい自社で活躍するのか?という判断も付けやすいものと思います。企業の要求水準を超えれば採用となるでしょう。

 

 

のように、非常に不確かではありますが、

私の経験と照らし合わせ、その後のキャリアがより開かれているの精神保健福祉士であると判断し、そちらを選択いたしました。

 

【まとめ】私が臨床心理士ではなく精神保健福祉士を選んだ4つの理由

 

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  1. 求人数が多い
  2. 資格取得に要する「学費と時間」
  3. 自身の経験・強みをより活かせるから
  4. その後のキャリアがより開かれているから

以上の4つの理由に基づいて私は臨床心理士ではなく精神保健福祉士を選びました。

 

ただ、どちらを選ぶかについては詰まるところ皆様次第だと思っています。

とは言え、少しでもこのような葛藤に苦しまれている方のお役に立てるよう記事を作成いたしました!

 

では!