面談が苦手な方必見!面談上手になるための『4つのプロセス』をご紹介【福祉職向け】
この記事の内容をざっくりと
- 面談が苦手な人いませんか?
- 面談上手になるための『4つのプロセス』のご紹介
①情報収集と目的の設定
②場をほぐす + 聞く耳を持たせるための会話
③受容・課題の共有
④クロージング
- 具体例を用いた、実践的なプロセスの進め方について
面談が上手く出来ない・・・苦手だ
このような悩みを持つ同僚や後輩が皆様の周りにもいらっしゃるのではないでしょうか?
私の周りにもこのような悩みを持つ支援者がおり、
先日その方(Aさん)と先輩支援者(Bさん)が面談に関してこのような話をしていました。
A「面談の際、何か一方的にこっちが話している感じになってしまいます。納得していないのか相手から反応があまりないのです。会話のキャッチボールになりません。」
B「お前は福祉の知識はあるけど世間話が苦手だよな。最初は世間話で関係作っていって、そしたらその内話が弾んでくるよ。」
A「世間話ですか・・・」
B「新聞読んでるか?あとテレビの話でも漫画の話でも何でもいいから福祉以外の話をしてみな」
A「・・・分かりました!やってみます!」
以上のやり取りを端で聞きながら、
「正しいような正しくないような・・・」ともやもやした気持ちを抱いていました。
Aさんはとにかく真面目で、何事にも真剣に取り組む反面、融通の利かないところがあり、
対するBさんはセンスは抜群ですが、感覚的に仕事をこなすタイプでいい加減なところもあるといった特徴をお持ちです。
そして、↓↓↓の記事でもご紹介したのですが、
仕事の覚え方でタイプ分けをすると、
Aさんは『何となくでは出来ない人』
Bさんは『何となく出来ちゃう人』
つまり、AさんとBさんは真反対のタイプであり、感覚では物事をこなせないAさんの困り事に対して、Bさんが自身の感覚を元にアドバイスをしたところで、出来るようになるはずがありません。
このような背景から、筆者はもやもやした気持ちを抱いたのです。
では、Bさんの「世間話をしてみては?」というアドバイスは間違っているのか?
結論から言うとそんなことはありません。
時に世間話をすることはとても重要です。
しかし、上述のような伝え方では不十分であり、現にAさんに後から確認したところ、その本質をよく理解出来ていませんでした。
では、どうすれば伝わったのでしょうか?
『なぜ世間話をする必要があるのか?』ということと『世間話はあくまで目的を果たすための手段に過ぎない』ということをしっかりと伝えればより親切だったでしょう。
当然の如く、我々は利用者さんと世間話をすることが仕事ではありません。
より良い支援をするための『手段』として時には場をほぐすための世間話が必要だということを理解してもらうことが重要だったということです。
このように伝えるとAさんは「よく分かりました!」と非常にいい顔をされていました。(※Bさんの顔を潰さないようフォローもしています笑)
さて、このような出来事を踏まえ当記事では、
主に若手の支援者に向けて、面談の『目的』とそのための『方法・手順』を具体的に教えるために、筆者が営業マン時代から培ってきた、
『面談上手になるための4つのプロセス』
を整理して明文化しましたので、参考までにご紹介させて頂こうと思います!
面談が上手になるための4つのプロセスとは?
ずばり、
- 情報収集と目的の設定
- 場をほぐす + 聞く耳を持たせるための会話
- 受容・課題の共有
- クロージング
この4つのプロセスを意識して面談をすれば、極端な例を除けばクオリティのある仕事になります。経験より断言いたします!
なぜなら、私もこのプロセスを意識しだしてからは、ほぼ「失敗したな」ということがないからです。
具体例を用いて説明をするとイメージがしやすいと思いますので、
『作業所の通所が滞っているCさん』
この例を用いて4つのプロセスについてご紹介していきます!
①情報収集と目的の設定
緊急時を除いては、面談に臨むにあたりしっかりと目的を設定しておくべきです。
目的がない仕事は何が正解かが分かりませんし、何よりお互いの時間を無駄にしてしまいます。
繰り返しになりますが、必ず目的を設定してから面談に臨んでください。
この①が最も重要であると言っても過言ではありません。
では、具体例に・・・
面談するにあたって、その目的をどうしようかと1人で悩んだところで答は出ません。
ですので、他の支援者から情報を聞き、現在の状況をまず把握するようにしましょう。
まず、
Cさんはグループホームに住まれているため、ここの支援員に話を聞いたところ、
「以前は週5休まず通所していた作業所に1週間前から全く行けておらず、その理由も話してくれずに部屋に閉じこもっている」
という事実が明らかになりました。
そこで、作業所の支援員に連絡し、その理由を聴取したところ、
「ある支援員がマニュアルと異なるいわゆる"我流"で作業をされていたCさんに注意をしたところ、それに対して、『なぜ他の人よりも数をこなしているのにたかがやり方が違うだけで怒られなければならないんだ』と激昴され、それ以来通所されていない」
という経緯を説明されました。加えて、
「Cさんはまだ若く、更なるステップアップを目標としているため、先を見据え、
"仕事においてマニュアルを守ることが自分の身を守ることにもなる"ということを伝えたかったが、うまく伝えられなかった」
という意図があったことも併せてご教示を頂き、
こちらから連絡をしても出てもらえないため今の気持ちを代わりに聞いてもらいたいこと、出来れば1度通所をしてもらい話し合いの場を持ちたいという希望も頂いた。
以上のことより、
『Cさんの気持ちを聞いた上で、作業所の方の意図を伝え、出来れば誤解を解き再通所に導くこと』を面談の目的とします。
あくまで我々は利用者さんの自己決定を尊重する立場ですが、このまま部屋に閉じこもったままではCさんの将来に響きます。
願わくば再通所、ダメであれば他支援機関に繋ぐことを2ndプランとし、面談に臨むこととします。
②場をほぐす + 聞く耳を持たせるための会話
いざCさんが面談に来ました!
そこでいきなり、
「作業所の方も悪気はないのでもう1度通所して話をしてみて下さい!いかがですか?」
と言ったところで普通は聞き入れられません。というかこれで聞き入れられるならそもそも部屋に閉じこもったりしないでしょう。
ここで必要なのは、いきなり本題に入るのではなく、まずは"場をほぐす会話"です。
これが冒頭の例で出てきた、いわゆる『世間話』ということですね。
筆者のオススメとしては、共通の趣味や趣向を話題に出す事です。
例えば、Cさん、支援者ともに漫画のワンピースが好きだったとしましょう。
「この前出た最新刊であれがああなるとは!」といった話題を振ると、相当気分が落ち込んでない限りは何らかの反応が返ってくるでしょう。
少なくとも、いきなり本題に入るよりもいいことは間違いありません。
そして、このように徐々に場をほぐすことで、Cさんもが支援者の話に対する『聞く耳』を持つこととなります。
この『聞く耳』がなければ、いくら正しい事を言っていたとしても相手はそれを受け入れる事はありません。
このような意味でも、
『場をほぐす + 聞く耳を持たせるための会話』は重要であると言えます。
③受容・課題の共有
いざ場がほぐれ、聞く耳を持って頂いたところで本題に入ります。
この場合、
「実は、私からグループホームの支援員さんに連絡をしたところ、Cさんが少し前から作業所を休まれていると聞いたのですが、何かありましたか?差し支えなければ教えて下さい」
場がほぐれているという前提で、私ならこう切り出します。
これに対して、支援者への『聞く耳』を持って頂けているならば、
「周囲より明らかに自分は頑張っているのに、支援員につまらないことで怒られて腹が立って休んでしまい、そのままずるずると期間が延びて今に至る」
といった旨の返答が返ってくるでしょう。
これをまずは受容します。目を見てしっかりと傾聴します。
Cさんは現に頑張っています。そして、客観的に捉えて、自分が同じ立場でも腹を立てる可能性は大いにあります。
ですので、まずは受容するのです。
そしてその上で、次に、
「このまま休んでいては目標であるステップアップに差し支えるのではないか?」
「将来目標とする一般就労に就いたとして、腹が立ったという理由で何日も休んではクビになってしまう・・・」
このように伝えます。
つまり、現実と向き合って頂き、課題を共有するのです。
これに関しては、本当に将来を見据え目標を持っている方に関しては、反応は色々ですが受け入れて下さいます。
そして、この『課題の共有』の後、最後のプロセスに移ります。
④クロージング
①のクロージングと並んで、最も重要なのがこの『クロージング』です!
平たく言えば、
「今後利用者さんがどのように取り組んでいくのか?」
ということと、
「そのためにどのような支援が必要か」
ということを決める事です。
Cさんの場合、理由はどうあれ作業所の支援者に腹を立てて何日間も欠勤する事が、この先の一般就労等のステップアップに向けての課題となる事を共有しました。
この上で今後どう取り組んでいくかということです。
「まず作業所に1度行き、欠勤を詫びた上で支援員と話し合ってみては?その上でまた元のように通所してみてがどうですか?」
このように私なら提案をします。
あえて作業所の支援員さんの話していた事は伝えません。
なぜなら、この先より障害理解の薄い環境で働く事を見据えているからです。
これに対して、「実はそうしたいと考えていたのですが、中々行き辛くて・・・どんな顔をして支援員さんと会えばいいのか・・・とても不安です」
このように返答が返ってきたとしたら、ここは支援者の出番であると考えます。
「では、初日は私も一緒に行き、話し合いにも同席します。ですが、お詫びと話をさせて欲しいということはご自身で伝えるようにしましょう」
このように伝えるでしょう。
まとめますと、
「今後利用者さんがどう取り組んでいくのか?」
→欠勤を詫び、支援員と話し合いをした上で作業所に再通所する。
「そのためにどのような支援が必要か?」
→初日は一緒に着いていき、話し合いにも同席するが、謝罪や話し合いの提案、その後の通所に関してはご自身の判断、力で取り組んで頂く。
これがCさんの事例のクロージングです。
当初の目的を果たせるかどうかはまだ分かりませんが、関係各所に結果を共有し、
その上でCさんが折れることなく取り組むことが出来れば、それを実現出来る環境の調整は出来たものと考えます。
まあ、あくまで例で、実際はこんなに綺麗にいかないのですが、
面談のプロセスに関しては、ほぼ例外なく、ご紹介した『4つのプロセス』を意識して辿ることでうまくこなす事ができますので、是非お試し下さい!
【まとめ】面談が上手になるための『4つのプロセス』
当記事では、
面談が苦手方や新人に具体的に教えるための、
面談上手になるための『4つのプロセス』を例を用いてご紹介させて頂きました!
- 情報収集と目的の設定
- 場をほぐす + 聞く耳を持たせるための会話
- 受容・課題の共有
- クロージング
以上を意識して面談を進めることによって、上手に面談をこなすことが出来ますので、ぜひ試してみて下さい!!
少しでもお役に立てましたら幸いです!
では!!