【必見】『やりがい奴隷』になるな!筆者が提案する福祉業界の新しい評価制度
この記事の内容をざっくりと
- 福祉業界の評価制度はダメです!制度がないに等しいほどひどいです!
- これに甘んじて『やりがい奴隷』になってはいけません!
- 一般企業の評価制度について、客観的で、福祉業界とは大違いです!
- この制度を福祉業界に応用する方法をご紹介!
福祉業界の評価制度はダメだ!
本当に福祉業界の評価制度はダメです!
言いきります!
しかも、ただ在籍が長いという『だけ』で、控えめに言って仕事が得意でない人であっても職場で最も高給を受け取っており、あまつさえやる気がなくて周囲に迷惑をかけているような状況でもそれを貰い続けているということが珍しくありません・・・有り得ません・・・
確かに、長く在籍するということは未だ日本では重要な要素とされています。
それは企業の退職金制度を見ても明らかでしょう。
しかしながら一般企業では少なくとも、ただ在籍が長いという『だけ』では高給を貰い続けることは叶いません。
客観的に見て、実績が伴わなければ給与は下がります。
給与は業績の対価として支払われる物です。
業績のいい優秀な人材が高給を受け取るべきです。
当たり前のことだと思いませんか?
この当たり前のことが出来ていないために、福祉業界は優秀な若い人材がモチベーションを保てず次々と離職していくのです!
業界にとってこれは大きな損失です!!
『やりがい』『自己成長』
こういったものは適切な給与を受け取るという『前提』があってこその産物です!
この前提がなければただの会社が謳う『綺麗事』で、これに気が付かないと
『やりがい奴隷』として搾取されてしまいます。
絶対に『やりがい奴隷』に甘んじてはいけません!
適切な対価を受け取るべく戦いましょう!
ではどうすれば福祉業界の評価制度は改善するのか?
簡単です!
福祉業界も一般企業と同じ評価制度を設ければいいだけです!
「福祉は評価がしにくい!」
このような声が聞こえてきそうですが、
評価がしにくいからといって、そもそも評価するための『ものさし』さえも存在しないことが問題なのです!
だから在籍年数や管理職の感覚という曖昧なものでしか評価が出来ないのです。
繰り返しとなりますが、これを是正するために、
一般企業で用いられている客観的な評価制度である、
『業績評価』『コンピテンシー評価』を福祉業界でも使えるようにアレンジすればいいだけです!
少なくとも現行の曖昧な評価制度よりましであることは間違いないでしょう!
一般企業の評価制度とは?
では一般企業の評価制度とは何か?
筆者の在籍した企業や、周囲の友人の話を参考にすると、
それぞれに詳細な違いはありますが、大枠では同じで、
『業績評価』と『コンピテンシー評価』との2つで社員の能力を評価し、その結果に応じた給与が支給されているという点はどこも共通しています。
業績評価
査定対象となる期間における業績を評価する制度です。
事前に上司と設定した目標と、実際の業績(売り上げ)とを比較して、その達成度に応じた評価が下されるものです。D~Aといった範囲で格付けされることが多いですね。
これは計数的な評価が出来、客観的であることがメリットですが、業績は運にも左右されるため不公平感があることはデメリットです。
企業のボーナスの査定に用いられることが多く、『成果主義』とも呼ばれています。
コンピテンシー評価
業績を上げるためにとった『行動』を評価する制度です。
結果に至るまでに、スキルを使ってどのように成果を生み出しているか?
つまり『行動特性』という『業績評価』『成果主義』では計れない社員の能力を評価するものです。
人事評価として用いられることが多く、昇進・月給のものさしとされることが多いです。
より具体的に説明をすると、
『高い成果を上げている社員の行動』を評価基準・モデルとし、職務ごとに明確に定義された行動特性(コンピテンシーモデル)をもとに、
- 達成志向性
- 確動性
- 積極性
- チームワーク
- 説明力
といった項目ごとに評価をします。
例えば、課長になるためには積極性の項目において、『自発的に考え、社内で新しいプロジェクトを立ち上げている』といった行動が必要であるとされていると銘記がされているといった形で、とにかくクリアな目標設定がなされています。
このため、
『何を頑張ればいいのか?』『何が足りないのか?』ということが明確で、社員のモチベーションが高まりますし、管理職も評価がしやすいというメリットがあります。
そしてこれは、『年功序列』といった曖昧な評価を是正するために企業が取り入れている制度です!
ただし、導入までの分析、モデル開発が困難である点や、環境変化によってメンテナンスをこまめにしなければならない点、そもそも特定したコンピテンシーが正しいとは限らない点といったデメリットもあります・・・
しかしながら、漫然とした年功序列や管理職の感覚による曖昧な評価よりは確実にましであることは断言できますし、
曖昧な評価の逃げ道として『やりがい』や『自己成長』といった詐欺めいた発言で
『やりがい奴隷』を生んでしまう最悪の事態もなくなります。
次項では、どのように『業績評価』『コンピテンシー評価』を福祉・医療に当てはめるのかについてご紹介したいと思います。
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筆者が提案する福祉職・支援者の新しい評価制度
とにかく『評価の尺度』を明確にし、誰もが納得せざるを得ない制度を作ることです!
そのためのご提案を以下より行っていきたいと思います。
福祉職の『業績評価』
職種によって様々ですが、
- 担当ケース数
- 計画相談の売り上げ
- ベッドコントロールにおける空床/満床のパーセンテージ
- 通所施設における担当利用者の通所率
といった、所属機関の売り上げに関わる項目で、客観的に計数化出来るものを評価尺度とし、目標を定め、実績を比較して評価をするべきかと思います。
ただし、担当ケース数といったどうしても長く勤めている人間が有利になる項目については、『漫然とそこに寄りかかる』ことを防ぐため、定期的な見直しが必要でしょう。
個人的に、3年担当して何も結果が出ていなければ担当交代して次の人間に託した方が建設的であると考えます。
経験上、なあなあの関係ではダメで、適度な緊張感がないと成果が出ないと考えるからです。
福祉職の『コンピテンシー評価』
所属機関の業績アップや、利用者さんの自己実現、利用者さんの安定した地域生活を実現するために、まずは機関のトッププレイヤー達がどのような行動をとってきたのかを分析し、それを評価尺度とします。
例えば、担当利用者がほぼ毎日通所している優秀な職員Aさんの行動を分析し、
- 達成志向性:利用者が調子を崩さないように毎日交換日記をしている
- 確動性:利用者の不安を解決すべく少なくとも2週に1度面談している
- 積極性:利用者を増やすため他機関に営業をしている
- チームワーク:新人職員に利用者を引き継ぎ、そつなくフォローしている
- 説明力:頑なな行政職員に折衝を行い、利用者さんに必要な支給決定を引き出している。 他機関より自施設への紹介を促せている。
このような評価尺度を定めて他の職員の半年間の目標とし、行った行動を評価する面談を3ヶ月に1度設け、評価をして昇進を検討していく。
このような方法を提案致します。
この評価尺度があれば、
「達成志向性はあるけどチームワークが足りない」とか、
「積極性はあるけど説明力は足りないね」
といった明確な評価が可能であり、職員も何をすべきかが分かりやすくモチベーションアップとなりますし、やる気のない職員はさすがに淘汰されます。
まずはこの方法で評価を始め、必要に応じてメンテナンスをしていくことをオススメします!
間違いなくこの制度の方が、優秀でやる気のある人材にイキイキと働いてもらえることを断言します!
【まとめ】 『やりがい奴隷』になるな!筆者が提案する新しい評価制度
当記事では、
- 福祉業界の評価の曖昧さ
- それに甘んじて『やりがい奴隷』にならずに戦う必要性
- そのための新しい評価制度の提案
をご紹介させて頂きました。
福祉業界は、現行のままでは若い優秀な人材が次々と去り必ず衰退します!
そうならないために、『業績評価』『コンピテンシー評価』を是非施設ごとにアレンジして取り入れ、明確な評価尺度として運営して頂けますと幸いです!
では!
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